レンダラーの仕組み

同じショットを、3か所で見ることになります。作り込むスタジオビュー、その隣のカメラプレビュー、そしてレンダータブで見る完成した画像です。この3つが完全に一致することはありません。これは不具合ではなく、設計どおりの動作です。このページでは、それぞれの画像が何のために計算されているかを説明します。どれを信頼すべきか、そしてノイズがどのように消えていくのかが分かります。

光の計算方法は1つ

set.a.light 3D は、セットの中で光線を追跡して光を計算します。カメラからシーンへ、壁、レフ板、肌で反射して、ライトへと戻る経路をたどります。レイトレーシングをオフにする品質レベルはありません。カメラプレビューと完成したレンダリングは、どのレベルでもレイトレーシングで計算されます。3つの画像はいずれも、ライト、ライトシェイパー、マテリアルについて同じ物理的な記述から始まります。作業用のビューは、その記述を独自の、より軽いレンダラーで描画します。

3つの画像の違いは、それぞれにどれだけの計算量をかけられるかにあります。

3つの画像、3つの役割

1つの構図、3つの画像:スタジオビュー · 収束後のカメラプレビュー · `1200 px` の最終レンダリング
1つの構図、3つの画像:スタジオビュー · 収束後のカメラプレビュー · 1200 px の最終レンダリング

スタジオビューは作業用のビューです。ライトを部屋の中でドラッグしている間も滑らかに動く必要があるため、フレームごとに軽いライティング処理で新しい画像を描画します。スタジオ品質が High を下回る場合は、内部解像度も下げられます。機材の配置には最適ですが、光の評価には向きません。

カメラプレビューは、フォトカメラが見ているものを、自身のビューポートのサイズで表示します。何かを動かしている間は軽いフレームを描画し続け、手を離した瞬間にレイトレーサーが引き継いで、選択した品質の目標に達するまで、同じ画像をサンプルごとに精緻にしていきます。数秒そのままにしておくと、この画像がライティングの本当の効果を示します。

最終レンダリングも同じレイトレーサーで、選んだ出力サイズで、より多くのサンプルを使い、JPG としてディスクに書き出されます。レンダリングだからといって画像の内容が変わることはありません。同じ計算を、より多くのピクセルとサンプルで行ったものです。

サンプルとは何か、なぜノイズはレンダラーが作業している証拠なのか

レンダラーはピクセルごとに光線を送り、そこに届く光の量を1回分推定します。これが1サンプルです。1回の推定にはノイズが含まれます。光線ごとにセット内で通る経路が異なるためです。多数の推定を平均すると、真の値に収束します。

したがって、ノイズは不具合でもマテリアルの問題でもなく、平均がまだ終わっていない状態です。サンプル数が増えれば自然に消えますが、光が長い距離を進んだ場所ほど消えるのは遅くなります。深い影、暗い隅のバウンス光、霧の中の光線、光沢のある表面の映り込みは、いつも最後に落ち着く領域です。4つの品質レベルのサンプル数の目標は、品質とノイズ除去の設定に一覧があります。

ノイズ除去が行うこと

平均だけでは計算コストが高くなるため、2段目の処理が作業の一部を担います。ノイズ除去は、蓄積された画像を表面の情報とあわせて調べ、残ったノイズをなめらかにします。カメラプレビューでは見ている間に実行されるため、サンプルカウンターが終わるよりもずっと前に画像がきれいになります。レンダリングでは、最後にもう一度実行されます。つまり、サンプルカウンターが目標に達してもレンダリングは終わりではなく、最後の処理が続きます。

ノイズ除去があるからこそ、ほどほどのサンプル数でも使える画像になります。また、小さな画像では2つの品質レベルがほとんど同じに見えても、大きな画像では差が出る理由でもあります。

3つの画像ごとに品質設定がある

3つの画像にはそれぞれ独自の品質設定があり、1つを変更してもほかには影響しません。スタジオのツールストリップにある歯車はスタジオビュー、カメラバーの端にある歯車はカメラプレビュー、レンダータブの歯車は完成した画像用です。どれをいつ変更するかは、品質とノイズ除去の設定で説明しています。

実際に共有されているものが1つあります。テクスチャーを読み込む際の精細さです。作業中はカメラプレビューの品質がアプリケーション全体の精細さを決め、レンダリングは実行中だけ独自のレベルを適用して、終わるとプレビューのレベルに戻します。スライダーに触れていないのに、布や肌の鮮明さが目に見えて変わることがあるのはこのためです。

スタジオビューが意図的に異なる点

作業用のビューには、意図的な違いが2つあり、「なぜ違って見えるのか」という疑問の大半はここから生じます。

  • 霧が圧縮されています。濃い霧をそのまま描画すると、スタジオビューが真っ白な壁になって作業できなくなるため、カメラプレビューやレンダリングより少なく表示されます。霧の評価は、プレビューかレンダリングで行ってください。
  • ライティングが簡略化されることがあります。スタジオのツールストリップにある電球のボタン(スタジオのライティングを表示)を押すと、ビューが簡易シェーディングに切り替わります。描画が軽くなりますが、ライティングのプレビューではありません。

さらに、スタジオビューにはレベルごとの独自のプロファイルがあります。間接光のバウンス数、隅や折り目のコンタクトシャドウ、内部解像度は、レンダリングの設定ではなく、スタジオ品質の設定に従います。

トラブルシューティング

関連項目